児童文学におけるリアリティのありか

児童文学について研究する方たちが所属する「児童文学学会」があり、毎年活発な研究大会が開かれています。
今年は、10月11・12日の二日間にわたって、愛知淑徳大学キャンパスにおいて研究大会がひらかれます。
今年のテーマは、「児童文学におけるリアリティのありか」というお題だそうで、各教室や講堂を会場に、講演、研究成果の発表やディスカッションなどが行われます。
で、わたしは、研究者でも学会員でもないのですが、招かれて、12日、午後4時半からの「ノンフィクションにとってのリアリティ」というラウンドテーブルに参加することになりました。
ラウンドテーブルというのは、要するにテーブルを囲んで、その場に集まった人たちが自由に話し合う。という形式のようで、最初に発言者として、それぞれ研究者である武藤清吾さんが動物文学について、奥山恵さんが伝記文学について、そして、執筆者の立場からわたし、うみのしほが、折り鶴2冊の取材と執筆を通して感じたことを短く発表したあと、自由討議にうつるのだそうです。
学会というのも、ラウンドテーブルというのも、はじめてのことで、どうなることやらわかりませんが、こういう会に参加することで、ちがった視点、学びが得られるかも、と期待しています。
興味のあるかたがいらしたら愛知淑徳大学にお問い合わせの上、ご参加ください。
発言者のわたし、なんせ、あの本が出版されたは10年前、取材をはじめたのは12年もまえのこと、かなり記憶もあいまいになっているのですが、レジメを用意したりするうち少しずつ思い出しつつあります。
動物文学、伝記文学(キュリー夫人を扱うそうです)についても勉強しておかなくては。



そうそう。『おりづるの旅』が重版かかって9刷になりました。
われながら、すごい!
それこそリアリティのありかとしては、執筆者として、売れ行きのことまで考えて書いていたわけではないので。

毎年、この季節になると、たまにしか会わない義兄に
「原爆の慰霊祭、折り鶴の像が写ると、しほさんがいるんじゃないかと思って見るよ」
と言われます。
「いえ、取材以来、慰霊祭には行ってません」
と答えているのですが、どうしてそんなこと聞くのだろうと思っていたら、
「だって、招待されるんじゃないのかね」
え。え”−!
サダコ本は、もう何十冊と出ているし。いちいち、執筆者を呼んだりしてませんって!
あまりにリアリティのないことで、苦笑するしかないのですが、義兄が、わたしの本を好意的に受け取ってくださるのはありがたいことです。

本を出すということは、その内容すべてに責を負うこと。
その責は、執筆のときだけでなく、ずーっとあとあとまでついてくるのだな。とあらためて感じています。

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